東京都心部における最近の主なオフィス解約・移転事例(別表参照)を分析した。
過去調査に比べて解約・移転事例は多く、オフィス再編の動きが活発である。
【各調査時の解約・移転事例件数】
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- 2022年2月調査 (2021年10月1日~2022年1月31日):102件
- 2021年10月調査 (2021年6月1日~2021年9月30日):82件
- 2021年6月調査 (2020年5月頃~2021年5月31日):60件
三鬼商事株式会社の公表データによると、東京都心部の空室率はコロナ前に比べ約4.8%の上昇、空室面積は約38万坪の増加となっている(※)。
コロナ前に比べると空室率は上昇し、空室面積は増加しているが、最近では改善傾向も見られるなど、空室率の上昇は一服している。空室が増え、賃料が下落している状況を好機と捉え、立地やビルグレードの改善を図る動きが空室の増加を抑えている。
創業が古い大企業が面積を減らす一方、情報・通信系の新興企業が高グレードビルに入居するといった動きにより、テナントの顔ぶれが変化している。
働き手も若返っており、オフィスビルには社員の交流を促すフリースペースやバースペースなど多様化する働き方に対応した空間が求められている。
つまり、多様な働き方等に対応できる優れたオフィス環境を有する物件は、コロナ禍においても選ばれている。
(※)新型コロナウイルスの影響が深刻化する前の2020年2月をコロナ前とし、直近の2021年12月と比べた。
東京都心部におけるコロナ後の主なオフィス解約・移転事例(487KB) PDF