特定価格
特定価格(とくていかかく)とは
特定価格とは、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することとなる場合における不動産の経済価値を適正に表示する価格をいう。
特定価格を求めることができる場合
特定価格を求める場合を例示すれば、次のとおりである。
(1) 不動産鑑定評価基準各論第3章第1節に規定する証券化対象不動産に係る鑑定評価目的の下で、投資家に示すための投資採算価値を表す価格を求める場合 ※
(2) 民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、早期売却を前提とした価格を求める場合
(3) 会社更生法又は民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、 事業の継続を前提とした価格を求める場合
※ 証券化対象不動産でも最有効使用と投資計画に基づく現況の使用方法が一致している場合は、正常価格が原則となる。
証券化対象不動産の価格
証券化対象不動産の価格は、不動産鑑定評価基準の改正[2014年(平成26年)5月1日・施行同年11月1日]前は、原則として特定価格であった。
それは、証券化対象不動産の鑑定評価は、「投資家に示すための指標」という側面が強かったため、市場性を前提としつつも特定の条件(投資方針やスキーム等)を反映させる必要があり、正常価格の概念とは異なると理解されていためである。
しかし、以下の理由から上記改正により実務上の運用が見直され、正常価格として求めることが原則とされた。
① 市場の成熟: J-REIT市場などが拡大・成熟し、証券化不動産の取引価格が一般的な不動産市場の指標(正常価格)と乖離しなくなったこと。
② 国際基準への準拠: 国際的な評価基準(IVS)との整合性を高めるため。
③ 透明性の向上:「特定価格」という名称が、あたかも特殊な計算による価格であるかのような誤解を与えるのを防ぐため。





