LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)は、建物や建設環境の質を向上させるためのグリーンビルディング認証プログラムです。
ビル等の各建築物が環境改善にどのように貢献しているかの指標を明確にし、
それに基づく対象建築物の点数による評価を行います。
LEED認証を受けるには、いくつかの必須条件を満たし、選択項目でポイントを取得する必要があります。
このポイント数に基づいて認証レベルが決定されます。
LEED認証までの流れ
まずグリーンビルディングとしての基本的な要件をクリアすることから始まります。
このLEED認証には、4つの区分があります。
1.建築物一棟(新築もしくは大がかりな増改築など)
2.建築物の一部(テナントの入居者が専有している部分など)
3.既存の建築物(既存の建築物の維持や管理など)
4.町の区画(計画時や開発終了時での評価)
その後、プロジェクトごとに設定された選択項目からポイントを取得します。
このポイントが多ければ多いほど、認証レベルが高くなります。
各プロジェクトに最適な認証システムを選び、その基準をクリアしていきます。
LEED認証はその評価基準として、下記の9つのカテゴリーで評価されます。
9つのカテゴリーについて
1.総合的なプロセス
プロジェクトの段階で、さまざまな分野の人が参加できるかどうかを見た指標。重要度は9つのなかでもっとも低く、満たしていたとしても1ポイントの加算に留まる
2.立地と交通
多くのアクセス手段があるか、生活エリアに移動の機能が含まれているか。最大で16ポイントが加算される
3.立地選択と敷地利用
公共交通機関に対してのアプローチがしやすいかどうか、歩行者の安全で快適な通行が守られているかどうかを見る項目。最大で10ポイントが加算される。
4.水の利用効率
水を無駄なく利用できているかどうかを見る項目で、最大で11ポイントが加算される
5.エネルギーと大気
エネルギーの利用が効率よく、革新的な方法で行われているかどうかを見る項目。最大で33ポイントと、9つのカテゴリーのなかでもっともポイントが大きい
6.材料と資源
そこで使われている資材が、持続可能なものかどうか、廃棄材の削減が考えられているかどうかを見る項目。最大で13ポイントが加算される
7.室内環境品質
どれくらいの太陽光が入るか、眺めは良いか、室内環境は整っているのかを見る項目。最大で16ポイントが加算される
8.革新性
LEED認証ではカバーしきれない範囲の、よりサステナブルで、より革新的な取り組みがされていると判断される対象物に与えられるポイント。最大で6ポイントが加算される
9.地域別優先クレジット
その地域に応じた環境対策がなされているかどうかを見る項目。
最大で4ポイントが加算される。
LEED認証は、取得したポイント数によって以下の4つのレベルに分類されます。
Certified: 40~49ポイント
Silver: 50~59ポイント
Gold: 60~79ポイント
Platinum: 80ポイント以上
LEED認証を取得することで、環境への配慮や運用コストの削減、従業員や居住者の健康改善、社会的な信頼性の向上など、多くのメリットが得られます。
LEED認証は、持続可能な未来のために建築業界をリードする重要な指標となっています。
LEED認証のメリット
LEEDは、設計、建設、運用の改善を通じて、コストと資源の削減、人々の健康への良い影響、再生可能なクリーンエネルギーの促進を目指しています。これにより、世界中で環境に優しく、持続可能な建物の普及を推進しています。
LEED認証を取得することで、以下のメリットを得ることができます。
① エネルギー消費量が下がるので光熱費が負担できる
エネルギー消費量や水使用量の削減、廃棄物削減など、環境負荷低減効果が期待できます。
ランニングコストの削減: 高効率な設備や設計により、長期的なランニングコストを削減することができます。
②資産価値の向上
環境に配慮した建物であることは、建物の資産価値向上につながります。
また、投資家からESG投資の点で評価されて資産価値が向上する可能性があります。
③入居率の向上
環境意識の高いテナントや居住者から選ばれやすくなります。
企業イメージの向上: 環境に配慮した企業であることをアピールすることができます。
④社会的貢献
持続可能な社会の実現に貢献することができます。
まとめ
LEEDは、建築物の環境性能を評価し、認証する国際的な制度です。
LEED認証を取得することで、環境負荷低減、ランニングコスト削減、資産価値向上などのメリットを得ることができます。
日本においても、LEED認証取得の重要性が高まっており、今後ますます普及していくことが予想されます。