相続に関する鑑定評価

名寄帳とは?請求方法から活用事例まで解説します。

名寄帳とは?請求方法から活用事例まで解説します。
士業様からのご相談について

不動産を所有している方や、これから相続手続きを行う予定の方にとって、「名寄帳(なよせちょう)」は非常に重要な書類です。

しかし、名寄帳という言葉は知っていても、何のために使うのか、どのように取得し、どんな場面で役立つのかまで正確に理解している方は多くありません。

名寄帳は、相続・不動産売買・固定資産税の確認など、さまざまな実務の場面で不動産の全体像を把握するための基礎資料となります。
この記事では、名寄帳の基本的な役割から請求方法、見方、活用事例、取得時の注意点までを分かりやすく解説します。

不動産相続を控えている方や、財産整理を検討している方はぜひ参考にしてください。

名寄帳とは?

名寄帳の定義

名寄帳とは、市区町村が作成する公的な書類で、固定資産税の課税対象となる土地や家屋を所有者ごとに一覧化したものです。
不動産の所在地、地番、地目、面積、固定資産税評価額などが記載されており、所有者単位で不動産を把握できるよう整理されています。

名寄帳が作成される理由

名寄帳が作成される主な目的は、固定資産税を適正に課税するためです。
固定資産税は、毎年1月1日時点の不動産所有者に対して課税されるため、市区町村は所有者ごとの不動産状況を正確に管理する必要があります。その管理資料として名寄帳が作成されています。

一方で、名寄帳は行政目的だけでなく、相続や不動産売買など、個人が不動産状況を確認する場面でも重要な役割を果たします。

固定資産課税台帳との関係

固定資産課税台帳は、不動産ごとに詳細な情報を記録した台帳です。
名寄帳は、この課税台帳の情報を基に、所有者別に整理した一覧表という位置づけになります。

個々の物件の詳細を確認したい場合は固定資産課税台帳、所有者がどのような不動産を持っているかを把握したい場合は名寄帳が適しています。

名寄帳の役割と重要性

名寄帳の最大の特徴は、所有不動産を漏れなく把握できる点です。
特に相続の場面では、「どこに不動産があるか分からない」「昔取得した土地が把握できていない」といった問題が頻繁に起こります。名寄帳を取得することで、不動産の全体像を短時間で整理することが可能になります。

名寄帳が利用される場面

名寄帳は、相続手続き、不動産売買、固定資産税の確認、節税対策、財産整理、未登記物件の調査など、幅広い場面で利用されます。
固定資産税が課税されない私道や山林などが確認できる点も、大きな特徴の一つです。

名寄帳の請求方法と取得の流れ

名寄帳を請求できる人

名寄帳を請求できるのは、原則として不動産の所有者本人、相続人、または委任状を持つ代理人です。
第三者が自由に取得できる書類ではなく、個人情報保護の観点から取得権限は厳しく制限されています。

名寄帳取得に必要な書類

所有者本人の場合は本人確認書類、相続人の場合は戸籍謄本など相続関係を証明する書類が必要です。
代理人が請求する場合は、委任状と代理人の本人確認書類が求められます。

名寄帳の請求窓口と取得方法

名寄帳は、不動産が所在する市区町村の役所で請求します。
税務課や固定資産税担当窓口が一般的で、郵送請求やオンライン申請に対応している自治体もあります。

費用と所要時間

発行手数料は1通300円から500円程度が一般的です。
窓口請求であれば即日発行、郵送の場合は1週間から10日程度かかることがあります。

取得時に注意すべきポイント

名寄帳は毎年1月1日時点の情報を基に作成されるため、その後に取得・売却した不動産は反映されていない場合があります。
共有名義の物件や未登記物件については、記載内容に制限がある点にも注意が必要です。

名寄帳の見方と情報の確認方法

名寄帳に記載されている情報

名寄帳には、所有者名、所在地、地番、地目、面積、固定資産税評価額などが記載されています。
課税対象外の非課税資産が含まれる場合もあります。

土地情報と家屋情報の読み取り方

土地については地目や面積、家屋については建物番号や床面積、評価額を確認します。
登記簿と照合し、内容に相違がないかを確認することが重要です。

固定資産税評価額の確認方法

名寄帳に記載されている評価額は、固定資産税算定の基準となる金額です。
市場価格とは異なるため、利用目的を理解したうえで確認する必要があります。

非課税資産の確認の留意点

私道や山林などの非課税資産も記載されることがあります。
相続や財産整理の際には、こうした資産の存在を見落とさないことが重要です。

情報の正確性を確認するポイント

相続や不動産売買では、記載ミスや把握漏れがトラブルにつながる可能性があります。
必要に応じて専門家へ相談することも検討しましょう。

不動産相続で名寄帳はどう使うのか

不動産相続では、被相続人がどのような不動産を所有していたのかを正確に把握することが最初のステップとなります。
名寄帳を取得することで、被相続人名義の土地や建物を市区町村単位で一覧確認できます。

名寄帳を基に登記簿謄本を取得すれば、登記漏れや名義不一致を確認することが可能です。
また、固定資産税評価額を確認することで、相続税申告に向けた準備も進めやすくなります。

不動産の把握、相続登記、相続税申告という一連の流れの中で、名寄帳は最初の土台となる重要な書類です。

名寄帳の実際の活用事例

相続手続きでの活用

被相続人が所有していた不動産を漏れなく把握し、相続登記や相続税申告をスムーズに進めるために活用されます。

不動産売買における重要性

所在地や面積、評価額を確認し、取引条件の確認やリスク把握に役立ちます。

固定資産税の確認と節税対策

課税内容を確認し、必要に応じて評価見直しを検討する材料となります。

財産整理・名義整理での役立て方

所有不動産の全体像を把握し、未登記物件や名義変更漏れを防ぐことができます。

未登記物件や漏れの確認

名寄帳を確認することで、登記されていない不動産の存在に気づくきっかけになります。

名寄帳取得時の注意点と課題

名寄帳は固定資産税課税を基準としているため、すべての不動産が必ず記載されるわけではありません。
取得条件や手続きは自治体ごとに異なり、不動産が複数の自治体にある場合はそれぞれで請求が必要です。

また、法人名義の不動産については、請求手続きや必要書類が個人とは異なる場合があります。

まとめ

名寄帳は、固定資産税の課税を目的として作成される書類ですが、相続や不動産管理の実務において非常に重要な役割を果たします。
所有者ごとに不動産が整理されているため、相続財産の全体像を把握し、不動産の漏れや未登記物件を早期に発見することができます。

相続手続きでは、名寄帳を起点として登記内容の確認や相続登記、相続税申告へと進めることで、手続きをスムーズに進行させることが可能です。
不動産売買や固定資産税の確認、財産整理の場面でも、名寄帳は正確な判断を支える基礎資料となります。

ただし、名寄帳の情報だけでは、不動産の適正な価値や評価の妥当性まで判断できないケースもあります。
特に相続においては、不動産の評価が相続税や遺産分割に大きく影響するため、専門的な視点が欠かせません。

そのような場合には、不動産鑑定士を活用し、客観的かつ専門的な評価を行うことで、相続人間のトラブル防止や適正な相続手続きにつながります。
名寄帳による不動産把握と、不動産鑑定士による専門評価を組み合わせることが、円滑な不動産相続への近道といえるでしょう。

 

 

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