不動産から得られる年間運営純収益(NOI)を借入金の年間元利返済額で除して求める「借入金償還余裕率」のことをいう。借入金返済の安全性を測る尺度で、不動産賃貸事業への資金融資の合理性及び安全性の判断や社債等の格付けを行う際の信用レベル査定に使われる。
DSCRが大きいほどデフォルトの可能性が低く、安全性が高いといえる。1.0未満の場合は、借入金返済後のキャッシュフローがマイナスになり、その期(年度)の運営純収益で元利金返済を賄いきれないので、1.2~1.3以上がローリスク物件の最低ラインとなる。
DSCRの算式
DSCR=元利金返済額 / 元利金返済前キャッシュフロー
元利金返済前キャッシュフロー:
事業の運営によって生み出される現金のことで一般的には営業利益に減価償却費を加えたEBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization)などが用いられる。
不動産投資では、NOI(Net Operating Income:営業収益)が使われることが多い。
元利金返済額:
年間の借入元本返済額と支払利息の合計である。