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スタッフコラム「大阪圏地価調査の概要(令和4年)」

大阪圏地価調査の概要(令和4年) 株式会社中央不動産鑑定所大阪支所

大阪圏地価調査の概要

INDEX

1、都道府県別・用途別対前年平均変動率
2、大阪府の地域別対前年平均変動率
3、兵庫県の地域別対前年平均変動率
4、京都府の地域別対前年平均変動率

1、都道府県別・用途別対前年平均変動率

大阪圏の平均変動率は、住宅地は+0.4%と3年ぶりに上昇し、商業地についても前年は平成24年以来9年ぶりに下落に転じていたが、今年は+1.5%と上昇した。工業地は+3.3%で8年連続の上昇で、上昇率は拡大している。

(変動率:%)

住宅地 商業地 工業地
令和3年 令和4年 令和3年 令和4年 令和3年 令和4年
京都府 △0.6 △0.2 △0.6 1.4 2.9 4.5
大阪府 △0.2 0.4 △0.9 1.6 0.6 2.1
兵庫県 △0.8 △0.1 △0.6 0.4 0.3 1.4
奈良県 △1.2 △1.0 △1.1 0.0 2.4 2.7
大阪圏 △0.3 0.4 △0.6 1.5 1.7 3.3

※大阪圏とは、近畿圏整備法による既成都市区域及び近郊整備区域を含む市町村の区域。

2、大阪府の地域別対前年平均変動率

1、全体の動向

大阪府の1年間の地価動向として、住宅地は変動率が+0.4%(前年△0.2%)と3年ぶりの上昇となり、商業地は変動率が+1.6%(前年△0.9%)と2年ぶりの上昇となった。

2、住宅地の動向

  • 大阪市では、+1.1%上昇(前年+0.2%)。大阪市内全24区のうち、前年は下落であった生野区、東住吉区、西淀川区も含めて、全ての区で上昇しており、上昇率は拡大している。
  • 堺市では、+1.4%上昇(前年+0.3%)。全7区のうち南区で下落が継続しているが、前年は下落した中区が上昇に転じるなど、上昇率は拡大している。
  • 北大阪地域では、0.6%で上昇(前年±0.0%)。箕面市、豊中市、吹田市、茨木市は上昇が継続しており、池田市、島本町は前年の横ばいから上昇に転じ、また、高槻市が前年の下落から上昇に転じているなど、上昇率は拡大している。
  • 東部大阪地域及び南大阪地域では、東部大阪地域のうち枚方市、寝屋川市、守口市、交野市、大東市及び南大阪地域のうち松原市、藤井寺市、泉大津市、泉佐野市は、前年の下落から上昇に転じている。下落が続いている市町村も存するが、全般に下落率は縮小している。近隣で大型商業施設が開業した松原(府)-3が上昇率+8.2%で府内住宅地の地価上昇率第1位となった。

3、商業地の動向

  • 大阪市では、+1.7%上昇(前年△2.0%)。大阪市内全24区のうち、前年は下落であった生野区、旭区、阿倍野区、住吉区、北区、中央区、西区、天王寺区、浪速区で上昇に転じるなど19区で上昇した。西淀川区、東淀川区の2区が横ばい、東住吉区、大正区、淀川区の3区で下落が継続している。
    難波地区に存する中央(府)5-1が下落率△2.9%、梅田地区に存する北(府)5-2が下落率△2.2%で、それぞれ府内商業地の第1位、第2位の下落率となっているが、人流・消費等に一部持ち直しが認められ、下落率は縮小している。
  • 堺市では、+2.9%上昇(前年+0.9%)。東区が前年の下落から上昇に転じるなど、商業地が選定されている5区全てが上昇となり、上昇率も拡大している。
  • 北大阪地域では、昨年は下落であった豊中市、吹田市が上昇に転じたほか、箕面市、池田市、高槻市、茨木市では上昇率が拡大している。北大阪急行延伸に伴い新駅設置が見込まれる箕面(府)5-3が+7.3%の上昇となり、今年も府内商業地の地価上昇率第1位となった。
  • 東部大阪地域及び南大阪地域では、大東市が下落を継続しているが、和泉市、貝塚市、寝屋川市は前年の下落から上昇、四條畷市、岸和田市、泉大津市、河内長野市は下落から横ばいであるほか、前年の横ばいから上昇に転じた市も多く見られる。

(変動率:%)

住宅地 商業地
令和3年 令和4年 令和3年 令和4年
大阪府全域 △0.2 0.4 △0.9 1.6
大阪市地域 0.2 1.1 △2.0 1.7
北大阪地域 0.0 0.6 0.7 2.0
東部大阪地域 △0.4 0.3 △0.1 0.7
南大阪地域 △0.5 0.1 0.3 1.6
堺市域 0.3 1.4 0.9 2.9

(注)

  • 北大阪地域:能勢町、豊能町、箕面市、池田市、豊中市、吹田市、摂津市、茨木市、高槻市及び島本町
  • 東部大阪地域:枚方市、寝屋川市、門真市、守口市、交野市、四條畷市、大東市、東大阪市、八尾市及び柏原市
  • 南大阪地域:南河内地域(松原市、藤井寺市、羽曳野市、大阪狭山市、富田林市、河内長野市、河南町、太子町及び千早赤阪村)及び
    泉州地域(堺市、和泉市、高石市、泉大津市、忠岡町、岸和田市、貝塚市、泉佐野市、泉南市、田尻町、熊取町、阪南市及び岬町)

4、工業地の動向

大阪府の平均変動率は+2.1%上昇(前年+0.6%)となっており、府下40地点のうち、横ばいの5地点を除き上昇となっている。大阪湾臨海部に位置する住之江(府)9-1が+8.8%上昇となり、大阪府内工業地の地価上昇率第1位となり、大阪圏の工業地においても第4位の上昇率となっている。

3、兵庫県の地域別対前年平均変動率

1、全体の動向

兵庫県のうち大阪圏に存する圏域の1年間の地価動向として、変動率は住宅地が+1.2%上昇(前年+0.3%)、商業地が+1.6%上昇(前年±0.0%)となった。

2、住宅地の動向

  • 神戸市では、+1.2%上昇(前年+0.1%)。全 9 区のうち、長田区は下落が継続しているが、北区、西区が昨年の下落から上昇、兵庫区が前年の横ばいから上昇に転じたほか、東灘区、灘区、中央区、須磨区、垂水区は上昇率が拡大している。市内でも利便性と住環境が良好な灘区、東灘区は安定した需要を有し、JR摩耶駅徒歩圏に存する灘(県)-4が上昇率+5.9%で前年に続き県内住宅地の地価上昇率第1位となったほか、上昇率上位5地点のうち4地点は、灘区及び東灘区内の地点となっている。
  • 阪神地域では、三田市、猪名川町は下落が継続しているが、川西市は前年の下落から上昇に転じたほか、尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、宝塚市は上昇率が拡大している。

3、商業地の動向

  • 神戸市では、+1.5%上昇(前年△1.1%)となった。長田区は下落が継続しているが、中央区は前年の下落から上昇に転じ、その他の区は上昇率が拡大している。
    中央区の三宮周辺では、コロナ禍により飲食店舗や宿泊事業を中心に商況の悪化が続いていたが、徐々に回復傾向にあり、前年比で上昇している地点も見られる。
  • 阪神地域では、猪名川町は下落が継続しているが、川西市が下落から上昇に転じたほか、尼崎市、西宮市、芦屋市、宝塚市、伊丹市で上昇が継続している。インバウンド需要の影響が小さく、県内商業地の地価上昇率上位3位までの地点は、阪神地域内の商業地が占めている。

(変動率:%)

住宅地 商業地
令和3年 令和4年 令和3年 令和4年
兵庫県(注1) 0.3 1.2 0.0 1.6
神戸市 0.1 1.2 △1.1 1.5
東部4区(注2) 0.9 1.9 △2.0 1.5
阪神地域 0.4 1.2 1.4 1.8

(注1)兵庫県のうち大阪圏の圏域の変動率
(注2)神戸市の東部4区とは、東灘区、灘区、兵庫区、中央区の各区。
阪神地域とは、尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、猪名川町。

4、工業地の動向

兵庫県の平均変動率は+1.4%上昇(前年+0.3%)となっており、県下35地点のうち下落が9地点、横ばいが3地点であるほかは上昇となっている。臨海部に位置する尼崎(県)9-1が上昇率+10%で、兵庫県内工業地の地価上昇率第1位となり、大阪圏の工業地においても第2位の上昇率となっている。

4、京都府の地域別対前年平均変動率

1、全体の動向

京都府のうち大阪圏に存する圏域の1年間の地価動向として、変動率は住宅地が+0.1%上昇(前年△0.4%)、商業地が+2.0%上昇(前年△0.3%)となった。

2、住宅地の動向

  • 京都市では、+0.6%上昇(前年△0.1%)。全 11 区のうち、右京区のみ下落であったが、東山区、左京区、北区、伏見区、山科区は前年の下落から上昇に転じるなど、他の10区は上昇となった。中心部の上京区、中京区、下京区、西京区、南区は上昇率が拡大している。
  • 京都市以外の圏域内市町では、宇治市、城陽市、大山崎町は前年の下落から上昇に転じており、京都市近郊の向日市、長岡京市は、阪急線、JR 線の 2 路線利用可能な京阪間のベッドタウンとして需要が堅調で上昇が継続している。阪急洛西口駅徒歩圏の向日(府)-1、西京(府)-9が、共に上昇率+3.4%で府内住宅地の地価上昇率第1位となっている。

3、商業地の動向

  • 京都市では、+2.5%上昇(前年△0.4%)。伏見区、東山区、南区、上京区、北区は前年の下落から上昇に転じ、左京区、中京区、山科区は横ばいから上昇に転じるなど、全ての区で上昇となった。宿泊施設の需給関係は厳しいものの、マンション需要の好調により上昇率が拡大しており、マンション需要が強い阪急大宮駅徒歩圏の下京(府)5-8が上昇率+12.9%で府内商業地の地価上昇率第1位となっている。
  • 京都市以外の圏域内市町では、宇治市が前年の下落から、城陽市が前年の横ばいからそれぞれ上昇に転じ、長岡京市、京田辺市で上昇率が拡大している。八幡市は前年の下落から横ばいとなり、向日市、精華町は横ばいが継続している。

(変動率:%)

住宅地 商業地
令和3年 令和4年 令和3年 令和4年
京都府(注1) △0.4 0.1 △0.3 2.0
京都市 △0.1 0.6 △0.4 2.5
中心5区(注2) 0.0 0.9 0.0 3.3
その他 △0.7 △0.3 △0.2 0.6

(注1) 京都府のうち大阪圏の圏域の変動率
(注2)京都市の中心5区とは、北区、上京区、左京区、中京区、下京区の各区。

4、工業地の動向

京都府の平均変動率は+4.5%上昇(前年+2.9%)となっており、府下18地点のうち下落が1地点、横ばいが3地点及び選定替の1地点を除き、上昇となっている。京都・大阪間に位置し高速道路のアクセスが良好な久御山(府)9-1が上昇率+13.6%で、京都府内工業地の地価上昇率第1位となり、大阪圏の工業地においても第1位の上昇率となっている。

(参考資料)
国土交通省「令和4年地価調査」、「標準地・基準地検索システム」
大阪府「令和4年地価公示結果」
兵庫県「令和4年地価調査結果」
京都府「京都府地価調査の結果について」

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