Is値とPMLの違い
Is(Seismic Index of Structure)値とPML(Probable Maximum Loss)の違い
どちらも地震リスクに対する指標である点で同じですが、Is値は「倒壊しにくさ(構造の強さ・粘り)」の指標、PMLは「金額の損失(再調達価格に対する損失率)」の指標で、目的も出力も違います。
Is値(構造耐震指標)
何を表す?:既存建物が大地震時に倒壊・崩壊しにくいか(強度・靱性+形状/劣化など)を、階・方向ごとに評価する工学指標。
算出の考え方:告示の技術指針では、例えば Is = Eo / (Fes・Z・Rt) のように、保有性能(Eo)を形状等(Fes)や地域・振動特性係数などで割って求めます。
使いどころ:耐震診断・耐震補強の要否判断(「倒壊危険性が低い/ある/高い」など)。
PML(Probable Maximum Loss:予想最大損失率)
何を表す?:ある規模の地震が起きたとき、物的損害が建物の再調達価格の何%になるかを、確率条件つきで表した指標(例:今後50年で10%超過する地震動、かつ90%非超過水準の損失率、など)。
使いどころ:不動産デューデリジェンス(ER)、証券化、保険設計などのリスクを金額(%)で比較する用途。
注意:PMLは用途によって定義・範囲が統一されていないことがある(例:構造+設備+内外装まで含める、地震火災は除く等)。
いちばん大事な「違い」
Is値=建物の“性能”(倒壊しにくさを工学的に評価。場所の地震発生確率や資産価値は直接は出てこない)
PML=“期待される損失”(その場所の地震ハザード+建物の脆弱性+再調達価格を組み合わせて、%で出る)
以上により、同じIs値でも、立地(地震ハザード)が違えばPMLは変わります。同じPMLでも、建物価格や設備比率、評価条件次第でIsとは一対一対応しないといえます。
なお、PMLは、証券化不動産では必須の数値になっており、Jリートでは、物件取得時及び期末時価算定時にはエンジニアリングレポートを取得して、その結果が開示されることが多いです。
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