【鑑定実務】いろは講座(Advance1日目)

コロナ禍の今、当社では、より一層の社員教育、社内における勉強会を実施しております。
このサイトは当社求人に応募をご検討中の方々に向け、当社の若手社員を対象とした社内研修で用いた講義レジュメを公開しています
(※)Advanceは応用論点の講義も含みます

講義レジュメ(PDF:519KBB)

Advance1日目の講義レジュメ
【実地調査の留意点】

鑑定実務いろは講座

    • 今回は実地調査(現地・役所調査等)の留意点の講義です。
    • 実地調査前に、収集した資料にもとづき対象不動産の確定を行い、価格形成要因を分析します。
    • 不明点は可能な限り事前に調査しておき、実地調査では現地で確認すべきことを中心に効率的に調査を行います。そうすることで、周辺地域を広域的に廻ったり、多数の事例を見ることもできます。
    • 実地調査では、専門職業家としての注意を払い、重要な価格形成要因の見落としを防ぎます。
    • 鑑定実務いろは講座 5日目も参考にしてください。

実地調査の留意点(1)(対象不動産の確認)

    • 土地の物的確認
      • 所在、地番、形状等が公図・実測図・住宅地図・竣工図等と一致しているか
      • 数量が登記情報・実測図等と一致しているか
      • セットバック、道路提供の有無は十分注意する
    • 建物の物的確認
      • 構造、階層、用途、間取り、設備等が建物図面、竣工図等と一致しているか
      • 増築、取り壊し、未登記建物、用途変更等はないか
    • 権利の態様の確認
      • 借地の範囲、現況建物が借地契約の内容と一致しているか
      • テナントが建物賃貸借契約と一致しているか、新規入居・解約予定はないか
      • 駐車場賃貸借、携帯基地局設置、道路占用許可等、その他の権利について各契約書と一致しているか

実地調査の留意点(2)(具体例)

    • 土地

Q:対象地が42条2項道路(道路中心線から2m後退を要する)に接道している場合の留意点
A:対象地の実測図、道路境界図等を用いて、対象地のセットバック面積を確定する。例えば、道路中心線から対象地の境界線まで1.8mであれば、0.2mのセットバックを要し、対象地(間口10m)のセットバック面積は2㎡(10m×0.2m)となる。

    • 建物

Q:増築がある場合の留意点
A:増築部分の数量(間口、奥行、高さ、面積)、構造、仕上げ、用途等を確認のうえ、役所への届出(建築確認申請等)の有無、建蔽率・容積率がオーバーしていないか等、遵法性を満たしているか確認する。

    • 権利の態様

Q:テナントの退去予定がある場合の留意点
A:退去予定日、募集条件(入居時期、募集賃料、賃貸面積等)を管理会社にヒアリングのうえ、DCF法の初年度における運営収益等において反映させる。

  • 株式会社中央不動産鑑定所 研修委員会