スタッフコラム

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鑑定士

不動産鑑定評価とは

「簡易鑑定をお願いします」とお客様からご依頼をいただくことがあります。そこで簡易鑑定についてまとめてみました。

■簡易鑑定評価のご要望について

フルスペックの鑑定評価ではなく、簡易な鑑定評価を要望される理由は次のとおりと思われます。

1.鑑定評価のコストをなるべく低く抑えたい。

2.時間を少しでも節約したい。

3.鑑定評価の結果だけわかればプロセスは不要。

このようなニーズに応えるため「簡易鑑定」というサービスを提供している不動産鑑定業者さんが存在しています。

■簡易鑑定評価とは?

不動産鑑定士が行う業務は、不動産の鑑定評価に関する法律、不動産鑑定評価基準、同留意事項、国土交通省による価格等調査ガイドライン、業界団体である公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会による各種実務指針等により、ご依頼の受付から鑑定評価額等の決定、成果品(鑑定評価書等)の提出までの各種プロセス、成果品に記載しなければならない事項(必要的記載事項)など細かく決められています。公(おおやけ)には、これらすべてに準拠したものが不動産の鑑定評価として認められることになります。一方、なんらかの事情でこれらの一部に準拠でいない場合は価格調査等としてリリースされます。したがって、厳密にいうと不動産の鑑定評価では、簡易鑑定評価という規定はありません。

では、どのようなものが簡易鑑定といわれているのでしょうか。

■簡易鑑定評価と呼ばれるケース

簡易鑑定と呼ばれるケースは、以下の場合が考えられます。

a.その実態が価格調査等である場合

上記で述べた不動産鑑定評価基準等に一部準拠できないため、各種試算などは、適正におこうものの、鑑定評価書として発行されないケースです。

たとえば、価格時点が3年後の未来であるとか、投資物件のため三手法は併用せずに収益還元法のみ適用する、減価償却費を算定するため土地と建物の価格割合だけを知りたい、開発計画のバリューエーションのため想定建物を数パターン作成してパターン毎に価格を求めてほしい、ピンポイントの価格よりも価格の幅を持たせた価格レンジで表示して欲しい等といったケースです。

つまり、ご要望により特定の条件をつけて評価を行う場合で、自由度が高い反面、その条件が不動産鑑定評価基準等に則れないため、正式な鑑定評価ではなく「価格調査」若しくは「価格意見書」、「調査報告書」等として成果品が発行されるケースです。

もちろん、価格調査の場合も、除外する部分以外は、不動産鑑定評価基準や各種ガイドライン等に準拠する必要があり、多彩なニーズにマッチし、その範囲において精度は保証されたものになります。

b.正式な不動産鑑定評価ではあるが記載内容が必要最低限であるもの

不動産鑑定評価に当たっては必ず記載しなければならない「必要的記載事項」とよばれるものがあります。しかし、記載の仕方や方法、説明の密度までは規定されておりませんので、より簡便で形式的な記載とすることも可能な場合があります。つまり、形式的であっても必要的記載事項だけを最低限網羅していれば、正式な鑑定評価書として通用することになります。一般に不動産の鑑定評価書は、必ずしも不動産の専門家でない方や第三者の誤解や疑義が生じないように鑑定評価額決定までのプロセス、採用した事例や資料、各種試算の根拠などを、明瞭にわかりやすく記載するように配慮されているのが通常です。

一方で、鑑定評価の依頼目的や開示される範囲などにより、そのような配慮は不要という場合もあります。例えば、金融機関が担保価値の把握のため不動産価格の自己算定をするべきところ、諸般の事情により不動産鑑定士に依頼するといったケースなどがあります。本来、自分たちで行うことを外注するようなケースですので、スピードとコスト性が重視され、いわゆる簡易鑑定のご依頼となるのです。平たくいえば、フルスペックの鑑定評価書から極力削れるところを削り、コストダウンを図ったものといえます。お寿司のランクでいえば「松・竹・梅」の梅ランクです。

但し、成果品としては簡易版ですが、不動産鑑定士の各種作業は、表に出てこないだけで、フルスペックの場合と変わりがないため、業者側から見て主流とはいえないと考えられています。以上を表にまとめてみました。

【比較一覧】

比較表

次のページでは少しマニアックなお話をします。

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