中央不動産鑑定所
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ER(Engineering Report)
  ゼネコン・設計事務所・検査機構等の専門家(一級建築士等)が、第三者的見地から対象建物の立地状況、管理状況、遵法性、建物仕上げ・構造、設備の状況、営繕履歴、耐震性能、有害物質含有状況、土壌汚染などのほか、同等の建物を今現在新たに建築した場合にかかる費用(再調達原価)や長期あるいは短期の修繕・更新費用を、分析・評価した調査報告書をER(エンジニアリングレポート)といい、金融機関、不動産鑑定機関等が建物の状況とそのリスクを判断する際の重要な資料となる。
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キャペックス(Capital Expenditure )
  建物の機能を維持するために支出される計画的大規模修繕費、長期計画修繕費をいい、外壁・屋上の大規模な補修費用と、電気・空調・昇降機等の設備更新費用により構成される。企業会計においては、資産として計上し損益計算上は減価償却費として期間配分されるが、投資判断や鑑定評価におけるキャッシュフローの査定では、運営費用と同様に支出として計上される。
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耐震構造 (Earthquake-Proof Construction)
  地震に対して安全であるように構造物を設計する方法を耐震設計法といい、昭和56年6月1日施行の改正建築基準法に基づく現行の耐震設計法については、それ以前の耐震基準と区別するために「新耐震基準」と呼ばれている。新耐震基準では、頻発する中小地震(概ね震度5以下)に対しては建物に被害を生じさせない(1次設計)ように、稀に発生する大地震(概ね震度6以上)に対しては建物を倒壊させない(2次設計)ことを目標として設計するように義務づけている。
  これまで建築基準法等における耐震設計基準は、大地震を契機に逐次改定されてきたが、「兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)」により新耐震基準に適合した建物の優位性が立証されている。不動産の鑑定評価でも建物の構造が新耐震基準に基づくものであるかどうかの確認は重要である。
  なお、昭和56年以前の建物であっても超高層ビルなどは、学識経験者等による特別の審査(評定)を受けることになっており、新耐震基準以上の耐震性性能が確保されている。
  昭和56年以前の建築物(「新耐震」以前の建築物)に大きな被害。
昭和56年以前の建築物(「新耐震」以前の建築物)に大きな被害。
〔国土交通省ホームページより〕
PMLとの関係について
  一般的に耐震構造とPMLとの関係は、新耐震基準に基づく建物であればPMLは低くなる傾向がある。但し、新耐震基準であってもピロティを有する建物及び極端に変形した建物等で偏心(平面的にみた耐震壁の偏り)が大きいものは新耐震基準に基づく設計がなされていてもPMLが高くなることがあるので注意が必要である。
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PML(Probable Maximum Loss)
  PMLとは、予想最大損失率と訳され、元々は、米国で発祥した災害(本来は、地震に限らない)に対する保険情報の一つで、我が国においては「対象施設あるいは施設群に対し、最大の損失をもたらす再現期間475年相当の地震(50年間で10%を超える確率で起こる大地震)が発生した場合の90%非超過確率に相当する物的損失額の再調達原価に対する割合」をいう。
  簡便にいえば、建物が地震によりどの程度損失を受けるかを予想した指標であり、この値が小さいほど、地震に強い建物といえる。一般に、投資用不動産にあっては、PMLが20%以上の場合は、地震保険付保等、30%以上の場合は、耐震補強を行うなど対策が必要とされている。

  PMLを計算式で示せば、次のとおりである。
PML(%) =     「地震による建物の被害の金額」    
「同じ建物を建て直すのに必要な費用」

PMLと被害の関係
PML(%)危険度被害の程度
 0 〜10非常に低い軽微
10〜20低い局部的被害
20〜30中破
30〜60高い大破
60〜   非常に高い倒壊

PMLの対象は、建物等に与える物的損失額であり、被災者に対する補償、営業中断による損失額等は考慮されていない。

90%非超過確率とは?
非超過確率とは、PMLの値を超えない確率であり、地震を受けた100棟の建物 のうち、 90棟程度はその水準より小さな被害に留まり、10棟程度はもっと大き な被害になるレベルである。
再現期間とは?
再現期間とは、ある事象が平均的に何年に一度程度起きるかを表したもので、 50年で10%を超える確率の場合の再現期間は、475年である。
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環境汚染物質
  居住者や建物内の執務者等の健康に悪影響を与える物質で、アスベスト、PCB、フロンガス、自動車排気ガスに含まれる汚染物質(窒素酸化物、浮遊性粒子状物質等)、悪臭防止法の規制対象物質(アンモニア、アセトアルデヒド等)等をいう。鑑定評価上は、対象建物に環境汚染物質が使用されている場合には、使用の程度と環境への影響の度合いを勘案し、除去費用と嫌悪感等による市場性の減退の程度に考慮して評価を行う。
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土壌汚染
  土壌汚染とは、工場等からの排水等の漏洩や不法投棄、事故や不適正な処理により、有害物質が誤って土壌中に排水され、蓄積されている状態のことをいう。
  土壌汚染については、これまで明らかになることが少なかったが、近年、工場跡地等がマンション敷地として開発されるケ−スが増加したことで、重金属、揮発性有機化合物等による土壌汚染が顕在化し、有害物質による土壌汚染を放置すれば人の健康に影響を及ぼすことが懸念されるようになった。
  しかし、平成15年2月15日に施行された「土壌汚染対策法」により、有害物質を取り扱っていた工場等を廃止する場合や、土壌汚染の可能性が高い工場跡地等は、土地の所有者に汚染状況を調査することを義務付け、調査の結果、有害物質の量が基準値を超えている場合には、都道府県等がその土地を土壌汚染指定区域に指定した上で、台帳を作成し、公開することが規定された。
  不動産鑑定評価基準においても、土地に関する個別的要因の一つとして「土壌汚染の有無及びその状態」が挙げられており、鑑定評価作業において、不動産鑑定士等は下記の調査(フェイズT)を行っている。

  1.役所等での調査
    対象不動産が有害物質使用特定施設に該当するか否かの調査を行う。
  2.地歴調査
    (1)不動産登記簿調査
    (2)過去の住宅地図、地形図等により土地利用調査を行う。
  3.ヒアリング調査
    土地所有者、近隣の地権者等に対して過去の土地利用等をヒアリングする。

  以上の調査の結果、土壌汚染が存する可能性がないと判断された場合には、不動産価格への影響がないものとして鑑定評価を行い、土壌汚染の可能性を否定できない場合には、専門家による土壌汚染に関する調査を依頼する等、その結果を踏まえて鑑定評価を行うことになる。

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アスベスト
  アスベスト(石綿)は自然鉱石で耐熱性・耐久性のあることから建築材料として広範囲に使用されてきたが、発ガン性のあることが判明したため、昭和50年にアスベストの吹き付け作業が原則禁止とされた。その後も、材質や含有量による使用規制の強化が行われ、平成16年に最も毒性の低いクリソタイルの二次製品の使用中止により全面禁止となった。
  しかし、平成17年アスベスト建材メーカー「クボタ」が工場周辺の住民を含めてアスベストによる中皮腫発症等の健康被害を開示したことにより、毒性の強さが再認識され、同年解体工事の労働者の健康障害防止の観点から石綿障害予防規則が施行された。
  建物評価に際しては、建築時期によるアスベスト使用の可能性と材質等を確認し、下記の使用形態を基準とする対策等に基づき、室内環境等の安全性等の観点から除去の必要性等の判断の上評価を行う。

既存建物のアスベスト使用形態使用部分等対策等
吹き付けアスベスト鉄骨の梁柱等・機械室等飛散性の恐れのある場合には除去等の義務
飛散性アスベスト建材保温剤・断熱材・耐火被覆解体時に飛散しやすく、粉塵と廃棄物の適切な処理が必要
非飛散性アスベスト建材床材タイル・石綿スレート等解体時の破壊等により飛散する可能性があり、注意

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