神奈川の人口問題を考える

  1. 横浜市

2回目の東京オリンピック2020年。その20年後の2040年。東京圏の人口減が本格化します。東京都区部に次いで日本第2位の370万人の人口を有する横浜市の2040年の人口は、2010年に対して4%減少の350万人となります。第2位の大都市とはいえ東京のベッドタウンとしての役割が大きいせいなのか、横浜市の人口増減は、市域北部の東京都心部に近接する区は増加で、位置的に市域の中間にあり高度商業地・ビジネス街を形成する西区・中区はほぼ横ばい、市域南部の東京都心部に遠隔となる区は減少となっています。

30%超増加の都筑区、1%増加の西区、18%減の金沢区の2010年時点の人口ビラミットを比較してみました。添付する人口ビラミットは特定非営利活動法人「地域・知恵の輪」の作成したものです。

(1)3区の人口ピラミッドの比較分析

(都筑区2010年人口ピラミッド/2040年に35%増加)
都筑区2010年人口ピラミッド

①0~14歳の年少人口の方が65歳以上の高齢者人口より多い

②最も人口の多い世代は40~44歳
③生産年齢15~64歳のなかで30~50歳の世代人口が多い
④年少人口のピークは10~14歳

(西区2010年人口ピラミッド/2040年に1%増加)
西区2010年人口ピラミッド

①65歳以上の高齢者人口の方が0~14歳の年少人口より多い

②人口の最も多い世代は団塊ジュニアの35~40歳

③生産年齢の15~64歳のうち25~50歳が多い

④年少人口のピークは0~4歳

(金沢区2010年人口ピラミッド/2040年に15%減)
金沢区2010年人口ピラミッド

①65歳以上の高齢者人口の方が0~14歳の年少人口より多い

②団塊世代の60~64歳が最も人口が多い

③生産年齢の15~64歳のうち20~64歳まで平均的に分布

④年少人口のピークは10~14歳

(2)見えてくるもの

○高齢者が少なく生産年齢世帯の人口ピークが比較的若い世代にあることから、都筑区と西区は人口ピラミッドの形状が似ている。しかし、生産年齢世代については、都筑区はファミリーが多く年少人口が多いが、西区は単身世帯が多いので年少人口が少ない。人口/世帯数で測定すると、都筑区2.64、金沢区2.32、西区1.9となっている。

○金沢区の団塊世代60~64歳が世代人口で最も多いということは、住宅開発が早かったこともあり、ここにきて若い世代の流入が少ないので、年少人口は逓減している。

○西区の人口の最も多い世代は団塊ジュニアの35~40歳で、都筑区の最も人口の多い世代は40~44歳。単身者が多いとはいえ西区はより若い世代には人気があると推測できる。西区の年少人口のピークは0~4歳ということは、ファミリーにも人気が出てきているのかもしれない。

  1. 川崎市

人口第1位東京都区部900万人と第2位の横浜市370万人との間に位置する川崎市は、人口145万人で全国第8位。工業のイメージが強かった都市ですが、多摩川に沿って東西に市域が形成されており、対岸の大田区・世田谷区とは橋でつながっています。

JR(東海道・京浜東北・南武)川崎駅から京急川崎駅一帯の高度商業地、横須賀線と南武線のクロスする新川崎駅(鹿島田駅)、住みたい街として人気の東急(東横・目黒)/JR(横須賀・南武)武蔵小杉駅、東急田園都市線/南武線の武蔵溝ノ口駅、小田急線/南武線の登戸駅、京王相模原線と南武線のクロスする京王稲田堤駅と、全域が東京都心へ直結する東京のベッドタウンです。「横浜」の次は「川崎」の人口の増減率と、その増減率から見えてくるもの(見解)です。

(1)川崎市内区別の2010年総人口に対して2040年推計総人口の増減率

①東京都区部3%減、横浜市4%減に対して川崎市は7%増。

②中原区は6%減。

③川崎区・宮前区・多摩区は3~7%の増加。

④幸区・高津区・麻生区は14~17%の増加。

(2)増減率に対しての見解

○東京都区部でも住宅地として人気の高い世田谷区・大田区に多摩川に沿って東西に隣接し、東京都心部へのアクセスの良好さにより住宅地としての人気が維持されていく。

○高津区・宮前区・麻生区といった住宅開発が遅い区が多く、川崎区・幸区では工場跡地のマンション化により近年住宅化が進んだことで、まだ若年層の比率が比較的高い。

○中原区は東急東横線沿線にあり住宅開発が早かったせいか、住みたい街上位の武蔵小杉を抱えるものの、総じて住宅地としての熟成度が高く人口減となっていく。

 (文責 安澤)

本レポートはブログ「不動産未来ナビ」の下記の記事を再構成しています。なお、レポートの分析結果は、国立社会保障・人口問題研究所の平成25年の「日本の将来推計人口」のデータを基にしています。

2040年の推計人口から見えてくるもの⑥(横浜)」
2040年の推計人口から見えてくるもの② (川崎)