千葉の人口問題を考える

  1. 千葉県北西部(東京ベッドタウン/千葉市と16都市)

2回目の東京オリンピック2020年。その20年後の2040年。東京の人口減が本格化しますが、2010年の人口に対する2040年の推計人口は、千葉県北西部では減少傾向の市が過半数以上ですが、増加する市もあります。「東京」のベッドタウンとして考えられる千葉県北西部(総人口450万人)の千葉市(6区)と16都市(総人口450万人)を選んで、2010年の人口に対する2040年の推計人口の割合を求めました。このエリアの2040年の総人口は5%減の約420万人です。

(1)千葉県北西部2010年総人口に対して2040年推計総人口の増減率

○西部、東京都区部に隣接する市川・松戸・浦安は、5~15%の減少。

○北部、常磐線・つくばエクスプレス沿線の柏・流山・野田・我孫子は、柏の2%増以外は10~24%の減少。

○臨海部、総武線・総武本線・京葉線・東西線・京成本線等の沿線にある船橋・習志野・美浜区は3~7%減少。

○中央部、鎌ヶ谷・白井・印西・八千代は、八千代が3%増、鎌ヶ谷横ばい、千葉ニュータウンの白井・印西が2~5%減。

○東部、総武線・総武本線・京成本線等の沿線の花見川区・四街道・若葉区・佐倉・成田は、10%増加の成田以外は13~26%の大幅な減少。

○南部、総武線・総武本線・京葉線・京成本線等の沿線の千葉市の稲毛区・中央区・緑区は、稲毛区4%減で、中央区・緑区は11~14%増加。

(2)増減率に対しての見解

○神奈川が東京都区部に隣接する川崎と横浜市の北部が増加するのに対して、千葉は東京都区部に隣接する市川・松戸・浦安がそろって減少している。因みに東京隣接区の江戸川・葛飾・足立も3~24%の減少をしている。アクセスと住宅地としての熟成度が高いにも関わらず人口減になるのは不思議。

○北総線・京葉高速は新しい路線で、東京都心部へ相互乗り入れで直結する。この沿線の鎌ヶ谷・白井・印西・八千代はトータルで横ばいであるが、住宅開発が遅かったことから若年層の流入が続くと予測される。

○花見川区・四街道・若葉区・佐倉は激減するエリアであるが、他のエリアと比較すると東京都心部へアクセスが今一つなので若年層に人気がないのではないかと推測する。

○増加基調の中央区は隣接の稲毛区を含めて、県庁所在地千葉市の商住の中心エリアであり人気が維持されていく。また、緑区は住宅開発が遅かったことから若年層の流入が続くものと予測される。

  1. 「母(父)になるなら、流山市」(少子化対策と地方創生)

日経新聞平成26年10月29日版の記事「少子化対策より交付金? 」[真相深層・地方創生「東京集中是正論」の裏側]の記事を要約するとこうなりますが、わが意を得たりです

「『若者が地方から東京など大都市に流入する動きが止まらず、地方の若年女性人口が減少を続けるので地方都市が消滅する恐れがあるが、人口過密で住居や子育て環境が良くない東京は出生率が1.13と全国最低で、人口減が加速していく』という増田寛也元総務相を座長とする地方創生会議の報告書と、それに呼応する安倍首相の『東京への人口一極集中に歯止めをかけ、個性と魅力のあるふるさとを作っていきたい』に対して、欧州の人口密度が高い地域ほど出生率が高いというデータや識者の見解を引き合いに『大都市への人口流入→出生率低下』は根拠がないと、むしろ人口減を本気で止めようとするなら、今大都市にいる若者向け出産・子育て支援を充実させるべきである」

「IターンやJターンは別としても、どんなにアメをばらまいても若い夫婦が地縁のない地方都市へ移住するという選択は極めて確率が低いし、そのための産業振興の実現までに長い時間がかかるし、地方移住→地方創生にはならない。本気で人口減を止めようとするなら、日経記事のとおり今大都市にいる若者に対しての出産・子育て支援を早く実現させるしかない。そのためのエリアは東京の郊外」と思いました。

その夜、表参道ホームでみかけた「母になるなら、流山市。」のキャッチコピーは!!でした。

流山市のHP(http://www.nagareyama-city.jp/)をスマホ検索すると、トップページに同じ写真とコピーそして支援の仕組みが表示されています。「『働きながら子育てができる街』・・・特に駅前送迎保育ステーションがあるので、働きながら子育てする家族をサポートします・・・・『豊かな心と確かな学力』・・・・小学校英語活動推進事業により、英語指導員を小学校全校に配置するとともに ネイティブのスーパーバイザー3名が各小学校をサポートしています」

流山市の2040年の人口予測は2010年に対して13%減ですが、都内からの若い夫婦の住替えラッシュで予測が大きく外れるかもしれません。やはり、少子化対策は東京の郊外です。

 (文責 安澤)

本レポートはブログ「不動産未来ナビ」の下記の記事を再構成しています。なお、レポートの分析結果は、国立社会保障・人口問題研究所の平成25年の「日本の将来推計人口」のデータを基にしています。

2040年の推計人口から見えてくるもの⑤ (千葉県北西部/東京ベッドタウン)
母(父)になるなら、流山市」(少子化対策と地方創生)